わた☆あめ 脳内読書会

読書ブログです。ヨーロッパより帰国しました(コロナのばか~!)

2020-09-01から1ヶ月間の記事一覧

人事制度を変える前に読んで欲しい:『日本社会のしくみ』

私が勤めていた会社は大手と言われる電気機器メーカーで、職場は現場寄りの部署だった。もう実際の製造は行っていなかったけれど、部門の人たちは製造の現場で物を作ってきた人ばかり。 だからこの本に出てくる日本の労働者の姿がとてもリアルに想像できる。…

最後の秘境は個人の物語の中に:『ロビンソン・クルーソーを探して』

著者は「物語を旅する」探検家。ほかに浦島太郎や、平安時代に剱岳に登った人物についての本を書かれている。どれも面白そうだ。 無人島サバイバルの元祖・ロビンソン・クルーソーには実在のモデルがいたらしい。その人、アレクサンダー・セルカークは18世…

チマチョゴリを着た虎は片膝を立てて美しく座る:『百年佳約』

主人公の百婆は渡来人。豊臣秀吉の朝鮮出兵の際に朝鮮から連れてこられた陶工たちの一人で、大きな窯元の女主人だ。 前作の『龍秘御天歌』では龍窯の主人・十兵衛の葬式を巡って、朝鮮式の葬式で送り出したい妻の百婆と日本社会での足場をさらに固めるため日…

『誰が袖屏風』って知ってますか:ART in LIFE, LIFE and BEAUTY展(サントリー美術館)

サントリー美術館『ART in LIFE, LIFE and BEAUTY展』に行ってきました。 ここで初めて『誰が袖屏風』というものを知りました。 (画像はサントリー美術館よりお借りしました) www.suntory.co.jp 「誰が袖」とは古今集の「色よりも香こそあはれとおもほゆれ…