わた☆あめ 脳内読書会

読書ブログです。ヨーロッパより帰国しました(コロナのばか~!)

これは一種のミュータント小説だ:村田紗耶香『コンビニ人間』

わた:すごいね、これは。

あめ:やっぱり芥川賞はすごい。読まないとね。

わた:芥川賞受賞後に色々なインタビューでは、どれも「普通への同調圧力」という切り口で紹介してたけど。

あめ:そんな生易しいもんじゃないね。

わた:この小説の本質である「異質」さには一般的なメディアでは説明しきれない。

あめ:よく拝見するブログでは「クレイジー紗耶香」って(笑)

わた:あ!その通り!クレイジーって言えないでしょ、メディアでは。

あめ:ざっくりわた☆あめ風のあらすじ紹介をすると、小さい頃から異質な言動で周囲をぎょっとさせる古倉さん(女性)。

わた:死んだ小鳥を見て「焼き鳥にしよう」って言ったり、同級生の喧嘩を止めようと手近にあったスコップで殴ったり。どれも小学生時代。

あめ:そんな自分がコンビニの中でだけは、普通の人のように行動できる。

わた:なぜなら決められたマニュアルがあるから。人とのやりとりもマニュアルにある限られたものしか発生しないから。

あめ:18年間平和に「コンビニ人間」をしてきたのだけど、無敵と思われたコンビニ・マニュアルでも「いつまでバイトしてるの?」「結婚しないの?」という生臭い同調圧力は防げないようになってきて。

わた:バイトを首になった白羽さんを世間への「言い訳」(結婚)として飼うことにするのだが・・・

あめ:もう全然普通じゃないし。古倉さんの食事がまた、ね。

わた:茹でた大根。全部茹でただけ。

あめ:「コンビニ人間」でよかったよ。

わた:「空母人間」とか「ミサイル発射指令室人間」とかじゃなくてね。

あめ:異質さがコンビニという「どこにでもあるありふれた場所」と結び付けられているのがすばらしいね。

わた:私たちが普通と思っていることは、ある視点ではとても陳腐なものでしかないのかもしれないね。

あめ:でも、陳腐さが取り除かれて、古倉さんみたいな人がスコップもってきたら困るよ(笑)。

わた:読むとこんな風に考えや疑問を広げてくれる小説は本当に貴重だね。

あめ:私たちのいる国でも翻訳出てたよ。読んでみようかな。

 

コンビニ人間 (文春文庫)

コンビニ人間 (文春文庫)

  • 作者:村田 沙耶香
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2018/09/04
  • メディア: 文庫
 

 

本が好き! 書評

https://www.honzuki.jp/book/269353/review/238054/

 

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