万城目さんの新境地(勝手にすみません!):万城目学『とっぴんぱらりの風太郎』
わた:読み終わっちゃいました。
あめ:と久しぶりに思った本だね。
わた:もうこれ万城目さんの新境地だよ!
あめ:わかったって(笑)
わた:時は大阪の陣、藤堂高虎お抱えの忍び集団から追い出されたニート忍者・風太郎(ぷうたろう)。
あめ:いやいやながらも実は楽しんで瓢箪栽培にいそしんでいたら・・・
わた:瓢箪に住む仙人に巻き込まれ、最後に命をかけてある指名を果たすために奮闘する。
あめ:わたし、「ふうたろう」って読んでました。
わた:ニートだから「ぷうたろう」。気が付きませんでした(笑)。
あめ:文章がすごくいいな。時折、万城目さんらしいユーモアが混じるんだけど。
わた:戦が近づいてくるとピリッとした文章になってね。
あめ:森鴎外の『阿部一族』の文章が好きなんだけど、ちょっと髣髴させる(笑)
わた:おお、森鴎外(笑)。ひょうたんに閉じ込められた仙人が出てきて設定がファンタジーだけど。
あめ:でも実は権力の中枢には実はこうした人知を超えた存在が付き添っていると。
わた:わた☆あめはひそかに思ってます(笑)。
あめ:大阪の人は「太閤さん」が好きなんだな。
わた:深窓のお公家様「ひさご様」の描き方も優しさに満ちてるね。
あめ:豊臣家への愛を感じる。哀悼と鎮魂を感じるね。当時の大阪の人も徳川の仕打ちはひどいって感じたんだろうなぁ。
わた:関東の人間は徳川びいきだから、豊臣家がこんなに愛されているというのは新鮮だね。
あめ:これが『プリンセス・トヨトミ』につながって。『プリンセス・ヨトトミ』も面白いんだよね。今、手元にないんだけど。
わた:友達に勧めたら「ながい・・・」って言われちゃったけど(笑)。
あめ:知識を得るためでなく、純粋に楽しんで読む本を勧めるのは難しいよね、とても個人的な楽しみだから。
わた:これは読んで間違いなし!っていう名著はある程度分かりやすいけれど。
あめ:正体が見極められない本(笑)。「読もうかな~、ホントに面白いかな~?」と迷う本(笑)。
わた:わたしたちの好みも万人向けではないけれど、
あめ:迷っている本を読むきっかけになればうれしいです。
- 作者:万城目 学
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2016/09/02
- メディア: 文庫
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