読むだけにとどまらない体験:柴崎友香『春の庭』
わた:これすごい。
あめ:そして、このすごさを伝えるのが難しい。
わた:読書にとどまらないすごい体験した。
あめ:読んでいると、自分の色々な記憶がよみがえってきて。
わた:自分の中に風を通したような気持ちになる。
あめ:自分の中が耕されて、沈んでいたものと混ぜあって豊かになった感じ。
わた:種まきする前の畑のように。
あめ:読んだ人まで詩的にするね~(笑)
わた:インスタグラムを眺めながら、色々なことを感じるのに似ている。
あめ:誰にも言うような出来事でも風景でもないんだけど、あ、いいなっていう。
わた:キラキラした風景じゃなし、構図も今一なんだけど。
あめ:とらえたその一瞬がいいっていうかね。どこか心うごかされる。
わた:映像的なんだけど、ただ映像をなぞって描写しているのではなく、
あめ:文章で文章以外のものを志向している。
わた:文章の外側にある何か。
あめ:一文ですぱっと現すのではなく、いくつもの文章の重なりで、そぉっと。
わた:主人公の太郎はなーんか覇気がなくて鈍感そう・・・って思ったけど。
あめ:毎日いろいろなことを考えて、それが淡々と彼の中で積もっていく。
わた:太郎もそうだけど、作品がさ、詩的な所と俗っぽい所のバランスが絶妙だね。
あめ:決して、詩的ばかりな高踏な文章じゃないのよね。
わた:太郎は最後には思い切った行動に出て。あ、そうか、西が浴室を見たかったように・・・
あめ:太郎は畳で寝転がりたかったのかぁ。今、気づいた。
わた:最後にブロック塀の上で振り返って、
あめ:冷蔵庫の中の豆腐の賞味期限を考える(笑)。
わた:『わたしがいなかった街で』は正直、読み切るのが辛かったんだけど。
あめ:私も黄緑色のモザイクタイルが貼られた浴室、見てみたいな。
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