わた☆あめ 脳内読書会

読書ブログです。ヨーロッパより帰国しました(コロナのばか~!)

読むだけにとどまらない体験:柴崎友香『春の庭』

わた:これすごい。

あめ:そして、このすごさを伝えるのが難しい。

わた:読書にとどまらないすごい体験した。

あめ:読んでいると、自分の色々な記憶がよみがえってきて。

わた:自分の中に風を通したような気持ちになる。

あめ:自分の中が耕されて、沈んでいたものと混ぜあって豊かになった感じ。

わた:種まきする前の畑のように。

あめ:読んだ人まで詩的にするね~(笑)

わた:インスタグラムを眺めながら、色々なことを感じるのに似ている。

あめ:誰にも言うような出来事でも風景でもないんだけど、あ、いいなっていう。

わた:キラキラした風景じゃなし、構図も今一なんだけど。

あめ:とらえたその一瞬がいいっていうかね。どこか心うごかされる。

わた:映像的なんだけど、ただ映像をなぞって描写しているのではなく、

あめ:文章で文章以外のものを志向している。

わた:文章の外側にある何か。

あめ:一文ですぱっと現すのではなく、いくつもの文章の重なりで、そぉっと。

 

わた:主人公の太郎はなーんか覇気がなくて鈍感そう・・・って思ったけど。

あめ:毎日いろいろなことを考えて、それが淡々と彼の中で積もっていく。

わた:太郎もそうだけど、作品がさ、詩的な所と俗っぽい所のバランスが絶妙だね。

あめ:決して、詩的ばかりな高踏な文章じゃないのよね。

 

わた:太郎は最後には思い切った行動に出て。あ、そうか、西が浴室を見たかったように・・・

あめ:太郎は畳で寝転がりたかったのかぁ。今、気づいた。

わた:最後にブロック塀の上で振り返って、

あめ:冷蔵庫の中の豆腐の賞味期限を考える(笑)。

わた:『わたしがいなかった街で』は正直、読み切るのが辛かったんだけど。

あめ:私も黄緑色のモザイクタイルが貼られた浴室、見てみたいな。

 

 

春の庭 (文春文庫)

春の庭 (文春文庫)

  • 作者:柴崎 友香
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2017/04/07
  • メディア: 文庫
 

 

本が好き! 書評

https://www.honzuki.jp/book/258020/review/237498/

 

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