わた☆あめ 脳内読書会

読書ブログです。ヨーロッパより帰国しました(コロナのばか~!)

はい、誤訳してます・・・:越前敏弥『越前敏弥の日本人なら必ず誤訳する英文 決定版』

わた:せっかくなのでとなるべく英語の本を原書で読むようにしてますが、

あめ:正しく読めているか、かなり自信がありません。

わた:難しい単語は辞書引けばいいけど、このoneやtheyは前述の文の中で何を指しているのかとか、辞書では分からない部分で引っかかります。

あめ:翻訳学校で教鞭も取られている越前先生はその点をよくご存知で、いわゆる文法に分類できない「隙間」の部分が誤訳の原因になっていると書かれています。

わた:and やorが何を並列しているのか、冠詞の a やtheの有無によって意味が違ってくることなど。

あめ:あと否定文。日本語とは理屈が異なるので下手すると反対の意味に読んでいる場合がある。

わた:本当に参考になったのが「英文は左から右に読む」という姿勢。文の続きは予想しながら視線を動かし、予期しない品詞や構文が出てきたら予想を修正しながら、とにかく左から右へ読み進める。

あめ:否定の省略形の解説は本当に目からウロコでした。

わた:英語は長くなるのを嫌って省略するけれど、その場合、前文に出ている構文を引き継ぐことを前提に省略する。

あめ:ネイティブはその前文の構造が記憶にあるのでそれを無意識に当てはめて読む。

わた:そうか!って腑に落ちました。

 

あめ:英語は日本語と主語の取り方も違うし、なんていうんだろう、日本人しかしないような行動や情動は英語では表せないし、日本人が文化としていない行動や常識を表している英文は単語の意味をいくら並べてもピンとこない。

わた:心性が言葉を作ったのか、その逆か。

あめ:村上春樹さんは初期の作品はまず英語で書いてそれを自分で日本語に翻訳し、文体を作っていったって聞いたよ。

わた:あの文体はそうして作られたものなんだね。海外で広く受け入れられているのも、英語に移しやすい構造で日本語を書いているからっているのもあるのかも。

 

あめ:越前先生のような専門家が読み解いても、前後の文脈で意味を読み解いていかないと意味が定まらない単語や文章があるっているのが驚きでした。

わた:分量をこなした上で身につくことってあるんだね。毎日短い文を読みこなすのは単語量を増やすのにはいいかもしれないけど。

あめ:ある程度のボリュームの読解を積むのも必要。

 

わた:珍答が続出するという問題。みなさん、どうでしょう、読めますか?

あめ:翻訳教室でも珍答が続出するって、なんか励まされる(笑)。

 

The coming of clocks caused a grave if gradual change in our social life.

 

 

越前敏弥の日本人なら必ず誤訳する英文 決定版

越前敏弥の日本人なら必ず誤訳する英文 決定版

  • 作者:越前 敏弥
  • 発売日: 2019/08/29
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

 

 

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