わた☆あめ 脳内読書会

読書ブログです。ヨーロッパより帰国しました(コロナのばか~!)

欧州にすむ私たちが読んで感じたこと:信夫梨花『イギリスに住んで確信!日本はイギリスより50年進んでいる』ほか

わた:1/23まで開催しているAmazon・kindle『社会・政治関連本フェア』(40%OFF以上)で表題作とその続編『イギリスから見れば日本は桃源郷』併せて購入。

あめ:またまたAmazonセール・・・。

わた:イギリスでの生活が長い著者がイギリスと日本の社会を比べてみる、という本。

あめ:ちょっと挑発的なタイトルだけど、日本の優れているところを読んで優越感に浸るのではなく、それぞれの文化や社会の違いに着目すると有意義。日本が社会の中で発展を重視してきたのがどんなところで、イギリスが発展よりも維持を重要としている点はどんなところなのか。

わた:著者が進んでいると上げているのは主に生活面での快適さで、それは異存なし。

あめ:ヨーロッパに来ると生活が不便で、先進国なのに!?ってビックリするからね。

わた:だけど日本はサービスや品質を追求するあまり、今は行き過ぎた達成目標が色々なところで問題を引き起こしている。

あめ:些細なことでクレームをつけられたり。

わた:コストを無視して高品質を当然のように求めたり。

あめ:これは建築設計図の偽造問題や品質検査が形骸化していた事例で表面化してきています。

わた:ヨーロッパにきて思ったのは「日本はモノの値段が下がりすぎている」ということ。

あめ:以前は日本の人件費は高すぎると言われていたけど。

わた:今はそんなことない。それよりも安すぎると思う。ハフポストの記事にもあった。

www.huffingtonpost.jp

 

 あめ:本来そこまでサービスが求められない場所で過剰なサービスが「無料で」受けられると思われている。

わた:サービスは本来、有料です!!

あめ:モノの値段が上がらないということは、我々の給料も上がらないということ。

わた:日本は物や娯楽の種類、消費するものの種類と数が多いので、とにかく買ってもらわないと経済が回らないというのはわかるんだけど。

あめ:ヨーロッパの人々はそんなに物を買わない印象。質素です。

わた:買い物が娯楽ではない。

あめ:娯楽はやっぱり旅行や、お酒(笑)。

わた:旅行するところはたくさんあるからね。日本国内を旅行する感覚でヨーロッパ内を人が移動している。

あめ:正直、日本は便利なんだけど、社会の成熟度ではヨーロッパはさすがだなぁと思います。こんな規制まである。

www.bbc.com

わた:日本で見かける広告での女性ってエプロンしてたり洗濯物干してたり・・・。

あめ:ちょっとうんざり・・・。

わた:ヨーロッパの成熟度を日本でも同じように求めているのが日本がうまくいかない理由のひとつなのかもしれない。

あめ:そんな中で最近とても面白いことをしている人を知りました。倉本圭造さん。

わた:グローバルスタンダードと日本文化のいいところを共存させていこうと色々試みている。

www.how-to-beat-the-usa.com

 

あめ:二作目の『桃源郷』はもっと社会的な話題を取り上げていて、こちらの方が面白い。

わた:教育の話とかね。長男が通っている中学校はアカデミーが運営しているけど、アカデミーって社名じゃなくて、学校の種類を表すものなんだとか始めた知った。だからどう違うのかはわからないけど(笑)。

あめ:海外にくるまで日本の教育は「画一的」「個性を伸ばさない」など否定的に考えていたけど、それによって達成されていることもたくさんあることを知りました。

わた:日本の教育は「子供たちをみなある一定のレベルまで引き上げる」努力を社会として行っているよね。

あめ:イギリスは学校でみんなを「ひっぱりあげる」ということはあまりしない。日本のように大多数の人が高等教育を受けるわけではない。

わた:日本の教育機会の平等性は世界に誇れることなのに政治家が「身の丈発言」をしたりして心配だわ。

  

あめ:サッチャーの政治についてコンパクトにまとまっているところはよかった。サッチャー、面白すぎてAmazonでドキュメンタリーまで見てしまった。

 

マーガレット・サッチャー 鉄の女の素顔  (字幕版)

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  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

 

わた:サッチャーの政治を肯定する人は、やっぱり豊かな人々なんだろうな。

あめ:以前読んだブレイディみかこさんの本では否定的だったね。

 

wataamebook.hatenablog.com

 

 

わた:ほか、第二作めではアングロサクソンのダブルスタンダートとしてイギリスの捕鯨についても一章あてている。イギリスが鯨油のために鯨を乱獲していたその歴史について。

あめ:イギリスは原発大国。その姿勢は「フクシマ」以後も変わらない。

わた:ISのテロリストの英語がロンドン訛りでイギリス人に大きな衝撃を与えたとか日本人では気が付かない視点もあり面白かった。

あめ:フェミニズムの弊害にも一章当てているけど、そんなに感心はしなかったな・・・。もう通り過ぎた議論だと思う。

わた:SNSを見ていると、いま日本の女性は自らの社会でのあり方をよくしていこうとの発言や活動をたくさんしていて、すごいなぁと思う。

あめ:海外にいるとやっぱりね、日本のニュースはセンセーショナルなトピックばかり目についてしまうのだけど。

わた:日本社会に定着している文化・習慣・価値観は本当に世界に誇れるもの。

あめ:文化や社会についてはどちらがどうだと比較するのではなく、それぞれの社会が長く保っていたことや継承してきたことに敬意をしめすという姿勢を忘れないでいたいと思います。

 

 

 

イギリスに住んで確信!日本はイギリスより50年進んでいる

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  • 出版社/メーカー: 主婦の友社
  • 発売日: 2017/05/29
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イギリスから見れば日本は桃源郷に一番近い国

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  • 作者:信夫 梨花
  • 出版社/メーカー: 主婦の友社
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https://www.honzuki.jp/book/228274/review/239699/

 

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