わた☆あめ 脳内読書会

読書ブログです。ヨーロッパより帰国しました(コロナのばか~!)

勉強するということはノリが悪くなること:『勉強の哲学』

なんとも不思議な本でした。
「勉強すること」について、著者の専門である哲学の考え方や用語を使って、著者自身の体験も盛り込んで語っている本です。タイトルにある「哲学」とはそういうことだったんだと読み終わって気づきました。勉強することの姿勢、セオリーのようなものについての本かと思って手に取りました。

 

哲学の難解な用語を使いながらも、ノリやツッコミ、ボケといった大衆的な言葉も用いて「勉強すること」について語っています。

 

勉強することは今いる環境(ノリ)から別の環境へと移動すること。
皆がいる環境(ノリ)から移動するのだからキモい人になる。

僭越ながら、なんだか分かります。興味に没頭していると自分もノリの悪い人になっている。著者のような優秀な人にとっても勉強は自身を変容させる圧力(ノリが悪くなること)がかかるのだと知って少し安心しました。

 

多くの場合、私たちはその場限りの環境で毎日を過ごしている。当たり障りのない話題を取り上げ、当たり障りのない意見を口にする。

 

「勉強」はそのノリからその人を離してしまいます。勉強って本当に贅沢で、犠牲的なものですね。

 

勉強に没頭したポスドクを日本社会が上手に活用できていないのは、共通のノリを重視する社会ということもあるのかな?とふと思ったりしました。

 

 

 

 

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