わた☆あめ 脳内読書会

読書ブログです。ヨーロッパより帰国しました(コロナのばか~!)

新しい人でないと世界は閉じれない:水野和夫『閉じていく帝国と逆説の21世紀経済』

わた:著者は「EU帝国」にある程度の希望を感じているんだね。 あめ:EUは国同士の繋がり(陸の国)を基盤とし、経済活動の基盤も実物投資空間を基盤としているので、「電子・金融空間」とは異なり、実物投資空間で働く人々に利益が還元されるため拡大を…

今月のkindleオーナーライブラリーはこれ!【2020年3月】

わた:新しい月に入ったので、さっそく新しい本を借りましたよ~。 あめ:先月に引き続き平山洋さんの『日本思想史講義』です。 わた:いや~、読むのがとても楽しみだ! あめ:惣村の巻から読み始めたので、今、戻ってます・・。 わた:初巻まで戻ったら、…

はい、誤訳してます・・・:越前敏弥『越前敏弥の日本人なら必ず誤訳する英文 決定版』

わた:せっかくなのでとなるべく英語の本を原書で読むようにしてますが、 あめ:正しく読めているか、かなり自信がありません。 わた:難しい単語は辞書引けばいいけど、このoneやtheyは前述の文の中で何を指しているのかとか、辞書では分からない部分で引っ…

奏と階段と幸福な時間:恩田陸『祝祭と予感』

わた:kindleで70%オフセール対象になっていたから買ってしまった。 あめ:40分くらいで読めてしまった・・・。 わた:蜜蜂王子のバックボーンが明かされたりして。 あめ:恩田さんのキャラクターらしく、優秀なお家のご子息でした。 わた:えーと、個人…

そこに「煙幕」はありませんか:白井聡『戦後政治を終わらせる 永続敗戦の、その先へ』

わた:先だって読んだ『資本主義の終焉と歴史の危機』と重なる部分があり、経済と政治は別々に語ることはできないと感じたよ。 あめ:なぜ学校で現代史を教えないのか。自分が学生の時は単純に授業時間が足りないからと思っていたけど。 わた:戦前の指導者…

国家はもはや資本の下僕に:水野和夫『資本主義の終焉と歴史の危機』

わた:会社員時代、上司を含め多くの企業人がグローバリゼーションを口にしていたけど、どれだけの人がその本当の姿を知っていたんだろう。 あめ:ウィン・ウィンの関係、とかしきりに言われたけどね。 わた:グローバリゼーションとはヒト・モノ・カネが国…

新刊JPに書評を掲載頂きました:『21 Lessons: 21世紀の人類のための21の思考』ユヴァル・ノア・ハラリ著

本が好き!での書評を新刊JPに掲載頂きました。 www.sinkan.jp これからも本を読む喜びを共有できるような書評を書いていきたいです。 精進致します。 参加しています。 にほんブログ村

この世ならざるものに挑み続けた表現力で音楽を:恩田陸『蜜蜂と遠雷』

わた:やっと読んだ~。 あめ:日本を出る時にkindleに落としてきたけど、読んだら止まらなくなるような気がして生活が落ち着くまで手が付けられず。 わた:恩田さんの青春物がそんなに好みでもなくてね。 あめ:でも読んだら、異形が出てくる、出てくる(笑…

教室から出て現代史を学ぼう:茂木誠『世界史で学べ!地政学』

わた:著者は大手予備校の世界史の先生。 あめ:ちょっとしたきっかけでYouTubeを拝見してともて面白かったので本を手に取ってみました。 わた:地政学とは「地理的な環境が国家に与える政治的(主に国際政治)、軍事的、経済的な影響を、巨視的な視点で研究す…

二重の「家」を暮らす妻:【Amazon Prime Rading】山本周五郎作品集二『その木戸を通って』ほか

わた:時代物の怪奇短編アンソロジーでは必ずといっていいほど収録される『その木戸を通って』。 あめ:城代の娘との結婚を控えた正四郎の家にある日、見知らぬ娘が尋ねてくる。 わた:その娘は自分の名前すら憶えていなくてなぜ自分が平松正四郎という名前…

使ってる? Kindleオーナーライブラリー

わた:AmazonのKindle電子書籍リーダー、またはFireをお持ちのみなさーん。 あめ:Kindleオーナーライブラリー、使ってますかー? わた:ふぅ。 あめ:で、Kindleオーナーライブラリーって何? Prime readingと何が違うの? わた:おそらくPrime readingより…

流れてくるニュースを自分でもう一度考える:【Amazon Prime Reading】大野和基『未来を読む AIと格差は世界を滅ぼすか』

わた:こんな本ばかり続いているけど、本当は小説読む人なんです。 あめ:だけどやっぱり最近は世界が少し不穏なので、今、世界で一体何が起こっているのかを探るような本を手にとってしまいます。 わた:これは偶然Amazon Prime Readingで見つけて手に取っ…

未来は明るくない?:ユヴァル・ノア・ハラリ『21 Lessons:21世紀の人類のための21の思考』

わた:かなり衝撃的な本・・・。 あめ:AIの発展によって大量の「役立たず階級」が生まれるって。 わた:でも今でもその傾向はあるよね。市場は人手不足っていうけど、仕事につけてない人がたくさんいるわけでしょう。需要と供給が合っていない。 あめ:ロ…

あの人もこの人も劇的ビフォーアフター?!:【新刊情報】内澤旬子『着せる女』

わた:ふ、ふ。ふふふふふ・・・。 あめ:・・・不気味なんですけど。 わた:内澤旬子さんの『着せる女』が試し読みできるのよ。 www.webdoku.jp わた:宮田さんの「ヒョットコ感」って、・・・言い得て妙! あめ:内澤さん、相変わらず面白い本、書いてる!…

Audibleを1ヶ月無料体験してみた。その結果は。

わた:Amazonのオーディオ・ブックサービスのAudibleを1ヶ月利用したので、その感想です。 あめ:Audibleとは月額1500円で利用できる朗読ブックサービスなんだけど、効き放題というわけではなく、最初のうちは一ヶ月に一冊のオーディオブックが利用できる、…

読み終えた時に「なぜ」という思いが拭えない:飯嶋和一『出星前夜』

わた:途中でちょっと冗長だなって思ってしまい、他の本に手を出したりして読み切るのが遅くなってしまった。 あめ:冗長という印象が変わりだしたのは、蜂起の終焉に近づいてからだね。印象が変わったその瞬間をすごく覚えている。 わた:ここまで愚直に描…

災害が多い今だからこそ冒頭の名調子が胸に迫る:鴨長明/訳・蜂飼耳『方丈記』

わた:災害が多い今の時代、災害を描いた作品としてこの作品が読まれているそうです。 あめ:学校の授業では世間との付き合い方とかそんな説明だったと思う。 わた:災害の世紀ならではの読まれ方だね。 あめ:前半では確かに大火、竜巻、飢饉、遷都、地震に…

子どもたちだけがをそれを見ていた:P.L.TRAVERS『MARY POPPINS』

わた:かの有名な『メアリー・ポピンズ』を初めて、原書で読んでみました。Prime会員であればAmazon.jpのPrime Readingでなんと四作目まで読める! あめ:ようやく第一作目が読み終わった・・・。 わた:いや、これは面白かったね! あめ:同じ英国児童文学…

Prime Minister's Questions(=PMQ)とは何ぞや?:信夫梨花『イギリスの首相に学ぶ!反論の伝え方』

わた:ブレグジット騒ぎの時にイギリスの議会の模様がテレビでよく流れたけど、昔から続く格式ばった決まりがあって面白かったよね。 あめ:議会が開催される初日は与党と野党の党首が並んで談笑しながら議会に向かうとかね。 わた :ジョンソン首相とコービ…

欧州にすむ私たちが読んで感じたこと:信夫梨花『イギリスに住んで確信!日本はイギリスより50年進んでいる』ほか

わた:1/23まで開催しているAmazon・kindle『社会・政治関連本フェア』(40%OFF以上)で表題作とその続編『イギリスから見れば日本は桃源郷』併せて購入。 あめ:またまたAmazonセール・・・。 わた:イギリスでの生活が長い著者がイギリスと日本の社会を比…

遠くローマまで旅した少年たちが見たものは:若桑みどり『クアトロ・ラガッツィ』

わた:冒頭のプロローグがすごくいいんだよね。 あめ:ミケランジェロを研究していた著者がある夜、こんな内なる声を聞く。「東洋の女であるおまえにとって、西洋の男であるミケランジェロが何だというのか?」 わた:これはね、一緒にするなんておこがまし…

2019年 私たちのベスト本

わた:まだ2019年少し残ってるけど。 あめ:冬休みで子供たちもいて、もう読了本は増えないと思うので、今年のベスト本を選んでみたいと思います。 わた:えーと、読んだ本は、漫画も含めて、約60冊ほどでした! あめ:当たり前だけど、会社員していた時よ…

ボリス・ジョンソンさん、頼みます!イギリスの労働者達を悲しませないで:ブレイディみかこ『労働者階級の反乱~地べたから見た英国EU離脱』

わた:Amazonのポイント50%還元セールで購入。 あめ:少し前の本で2017年出版。労働党の躍進の年。 わた:しかしながら2019年12月12日のイギリス総選挙ではボリス・ジョンソン率いる保守党が圧勝した。 あめ:労働党は大きく座席を減らしてしまったね。 わ…

天才の頭の中は?:会田誠『カリコリせんとや生まれけむ』

わた:前から読みたいと思っていた会田誠さんの本がAmazon Kindleポイント還元本の対象になっていましたー。 あめ:今年は美術・芸術を巡って日本ではきな臭いことが起こったからねえ。 わた:会田さんの下記のインタビューも面白くて。 www.huffingtonpost.…

銅版画に導かれるそれぞれの夜:森見登美彦『夜行』

わた:初めて森見さんの作品を読んだ。 あめ:失踪ミステリーかと思ったら、パラレルワールド? わた:旅行記でもあり、怪談でもあり、SFでもあり。 あめ:続きが気になって、もう一気に読んだね。 わた:村上春樹の短編に絵の中の男とタクシーの中で乗り…

またAmazonがKindleセールしてる~!:【最大50%】Kindle本冬のポイント還元(12/13~12/26)

わた:またKindleセールだ~! あめ:最大50%のポイントが付くセール。二冊目以降からそのポイントが使える。 わた:Amazon、しょっちゅうKindleセールしてるなぁ。 あめ:チェックするのも大変(汗)。 わた:うまい具合にソートができないのよね(汗)。 …

シベリアを領有することで高まるロシアの悲劇性:中野京子『名画で読み解くロマノフ家12の物語』

わた:滞在先でニコライ二世とその家族の展示会をみる機会があったのよね。 あめ:科学博物館での展示で博物館らしい切り口で血友病についての展示だったね。 わた::それが、またすごくよくてね。 あめ:胸に迫った。辞書を引き引き英語で読んだから、余計…

これは一種のミュータント小説だ:村田紗耶香『コンビニ人間』

わた:すごいね、これは。 あめ:やっぱり芥川賞はすごい。読まないとね。 わた:芥川賞受賞後に色々なインタビューでは、どれも「普通への同調圧力」という切り口で紹介してたけど。 あめ:そんな生易しいもんじゃないね。 わた:この小説の本質である「異…

怜悧な怪談:角田光代『かなたの子』

わた:『泉鏡花賞』受賞作品を読もうシリーズ。 あめ:あんなに朗らかそうなのに、こんな異界を抱えてる・・・角田さんの底知れなさにいつもながら脱帽。 わた:昔の因習的なトーンで書かれた作品の方が、現代が舞台のものより「救いがある」感じがしたんだ…

読むだけにとどまらない体験:柴崎友香『春の庭』

わた:これすごい。 あめ:そして、このすごさを伝えるのが難しい。 わた:読書にとどまらないすごい体験した。 あめ:読んでいると、自分の色々な記憶がよみがえってきて。 わた:自分の中に風を通したような気持ちになる。 あめ:自分の中が耕されて、沈ん…